
下瀬 翠先生
近頃、大阪の国立文楽劇場は多くのお客様で賑わうようになりました。 私は道頓堀で育ち文楽人形を描き始め30年以上になりますので、歌舞伎も大好きです。 大阪と言えば文楽、文楽と言えば近松門左衛門、近松と言えば皆さまは『曽根崎心中』の お初と徳兵衛をよくご存知なのではないでしょうか。
このお話し、近松門左衛門が実話を元に人形浄瑠璃の脚本を書き、何とこれが大当たりで、人形浄瑠璃の小屋はふたたび活気を取り戻しました。 そして、このお話しは随分経つて歌舞伎でも取りあげるようになり又、好評になりました。
このように、文楽で人気だった作品を歌舞伎でも取りあげているものが多くあります。『勧進帳』『俊寬』『忠臣蔵』などなど、まるで文楽と歌舞伎は姉と妹のように、似ているようで似てない所がたくさんあり歌舞伎は新作をどんどん発表しています。
伝統文化の伝承には私たちが、孫や子供達や仲間を誘い日本だけの日本の独特な美や華麗な舞台を伝えて行きたいと思います。 下瀬翠HP http://www.midori-shimose.top

竹内志朗先生
昔の話になりますが、千日前に大阪歌舞伎座がありました。 いまのビックカメラの場所で約1,700席もあった大劇場でした。 毎月、歌舞伎、新派、新国劇、前進座、の芝居が上演されていました。 市川寿海丈(二枚目映画俳優 市川雷蔵さんの父君)の「新・平家物語」、市川寿海丈と二代目中村鴈治郎丈の「獄門長」この獄門長の一幕目の江戸の大火で燃える牢獄の場面は演劇史に残る名舞台で再現はできないと思います。 それに十一代目市川団十郎丈が海老蔵時代の「若き日の信長」など、新歌舞伎の演目に見習スタッフとして手伝っていました。 市川寿海丈のはつらつとした平清盛役、海老蔵丈の若き日の暴れん坊の信長の芝居がいまも思い浮かびます。 芝居はもちろん観劇していただきたいし、江戸の荒事、上方の和事の優れた演目がたくさんあります。 こうした歌舞伎、そして文楽人形浄瑠璃をたくさんご観劇ください。 竹内志郎HP http://www.spur.co.jp/tegaki_net/